2014年12月29日、品川区大井競馬場。
競馬ファンでもギャンブル好きでもない私が、競馬ファンの群れの中にいた。
年末の大井競馬場に一人で向かった理由は、三浦春馬君が東京大賞典のプレゼンターとして来場すると聞いたからだ。
太陽が落ちて、長身に黒いコートの男性が賞典台に現れた。
24歳の三浦春馬君だ。
夕焼け色に照らされた春馬君の顔は本当に綺麗だった。
あんなに綺麗な顔は私の人生で出会ったことが無いくらい、恐ろしく美しかった。
賞典台で、「競馬ファンとしては未熟だけど、これから競馬のこと、競馬に関わっている先人たちのエピソードを踏まえいろいろ勉強させてもらえばと。」と真剣な面持ちで語った春馬君。
おそらく競馬未経験の彼が、競馬についてこんなにも真摯に語るのかと驚いた。
本当に真面目な子という印象を強くした。
残念だったことは、おじさんたちが前に立ちはだかり、春馬君が賞典台に立ったほとんどの時間をおじさんが構えたビデオカメラのモニターを通してしか見られなかったことだ。
「性別問わず美しいものは誰もが見たいのだ」とおじさんに囲まれながら思った。
以降、春馬君を直接見る機会はなかった。
2020年7月18日夜。
自宅で携帯を見ていると、三浦春馬君死去の一報が入った。
志村けんさん岡江久美子さんなど芸能人がコロナで逝去され、春馬君もコロナ?それとも事故?
一体どうしたことかとネットで情報を探ると、自死であることが分かった。
「コンフィデンスマンJP」シリーズで共演した俳優の小手伸也さんが、この日予定されていた「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の生配信企画中止を受けTwitterを更新。
ドッキリであってくれ、不謹慎だと怒らせてくれ、LINEしたら返事くれ、サプライズでゲストに来てくれ、普通に笑って映画見せてくれ、何か出来ること無かったかとか思わせないでくれ、またみんなと僕を弄って、それでも優しい仲間でいて、こんな形でいなくならないでくれよ
— 小手伸也 (@KOTEshinya) July 18, 2020
もうあの笑顔が見られない。
屈託の無い春馬君の笑顔が大好きだった。
春馬君がいなくなり今でも不意に涙があふれ出る。
つらい時も春馬君は頑張って笑っていた。
そう思うと涙が止まらないのだ。